同じ過ちを何度も起こす部下を見て、ついつい怒ってしまいます。
ついつい怒ってしまい、取返しがつかないことになることもあります。今回は怒りのコントロール「アンガーマネジメント」についてお話します。
今回はアンガーマネジメントについてお話します。
- 「ついつい怒鳴ってしまう」
- 「最近すぐいらいらしてしまう」
- 「ムカッときて、ひどいことを言ってしまう」
こんな経験はありませんか?
アンガーマネジメントとは、これらの「怒り」をコントロールする技術のことです。
私は介護施設の経営をしておりますが、介護の業界でもこのアンガーマネジメントがここ数年、とても注目されています。
怒りがコントロールできずにとっさに発した一言で、人関関係に亀裂が入ったり、取返しのつかない状況になったりもします。
「お前のことなんてもう知らんわ!」「こんな会社辞めてやる!」とついつい口にしてしまい、状況が悪くなった経験ありませんか?
あの時のあの発言、失敗したなーって。
最近では危険運転にまつわるニュースもかなり多く取り上げられましたよね。
もうね、この怒りをコントロールすることは人生において必須だと思ってます。
パソコンのブラインドタッチくらい必須です。逆に言えば怒りをコントロールできない人は人生において、大きな損すると言っても過言ではありません。
ちなみにアンガーマネジメントは精神論ではありません。誰にでも習得できる技術です。
マリオカートのマリオサーキット1で1分を切るのと一緒です。これは技術なんです。
この動画を観て、少しでも怒りとの向き合い方を考えてくれる人が増えれば、発信した甲斐があります。
こんな私でも少しでもお役に立てると信じて、今日は「怒りのコントロール」アンガーマネジメントについて、お話します。
アンガーマネジメントの重要性
怒りという感情自体を否定するものではありません。怒りという感情は、それ自体生きていくうえで必要不可欠なものです。
大事なのは、その怒りに振り回されずにコントロールするということです。
アンガーマネジメントを学ぶと、人生がイージーモードになるということです。
太鼓の達人で言えば「かんたん」モードです。しかし、学んでない人は、いつも「難しい」とか「おに」レベルで生きてます。
イージーモードであれば気持ちに余裕がでますよね。それによって、自分自身も楽になりますし、周りに自然と敵がいなくなります。
そして、さらに「人としての器が大きくなる」ということです。
私のいる介護の業界でも、職場によって年齢の幅がものすごくあります。そうすると、多様な習慣とか価値観がまじりあいますよね。
例えば、「なんで職場でネイルをしたらいけないんだ」とか「遅刻してなんでいけないんですか」とか
もうね、こうなってくると一人一人が自分と違う他人を受け入れていかないと協力していくことが難しくなります。
他にもアンガーマネジメントの重要性あります。
例えば、技術の進歩で便利になればなるほど、実は不便なことに対する忍耐力が下がってるんですね。
一番わかりやすいのが、電話ですね。
昔は自宅にしか電話なかったじゃないですか。留守なら「あ、またかけよ」で済んでましたよね。それが今では、スマホになりLineが既読にならないだけで、イライラするわけです。
「もう送信してから10分も経ってるのになんで既読にならないんだー」って。
人としての器の大きさが求められるわけです。それがアンガーマネジメントを学ぶと身に付くんですね。
そして、もっとも大切な事は、アンガーマネジメントは習得できる技術だということです。
多くの人は、怒りは他人や出来事など、自分でなく外に原因があると考えます。
「なんで上司は自分のことを分かってくれないんだ!」「急いでるのになんでこんなところで渋滞してるんだ!」みたいな感じです。
しかし、同じシチュエーションでも、実は「怒る人」と「怒らない人」がいます。
これは、どういうことか。
わかりますよね。
つまり「怒り」は自分が勝手に生み出しているんです。だからこそ、自分が生んでるからこそ、コントロールできるわけですね。
ちゃんと練習すれば、怒りをコントロールすることが出来るようになります。
怒りを切り抜ける方法
では、アンガーマネジメントの肝である、怒りから切り抜ける技術についてお話します。
その技術は5つあります。
誰でもすぐに出来ることばかりなので、是非参考にしてください。
6秒ルールを知る
まず基本中の基本は、イラっとしたら、
6秒待つ
ということです。
怒りの感情のピークは6秒までと言われています。
イラッとしたとき、「おい!」と怒りを反射的に表現してしまうのが、もっともまずい行為です。
売り言葉に買い言葉という言葉もあるくらい、怒りが大きくなると、さらに次の怒りに飛び火してしまうこともあります。
つまり、大切なことは、反射的に行動しないことです。
そこで大切なことが、6秒待つということです。
やり方としては、イラっときたとき、「1、2、3、、、6」と心の中でカウントしてみましょう。
これをするだけで、気持ちが落ち着いてきますので、「つい手が出てしまった」「思わず大声を出してしまった」ということがなくなります。
他にも、深呼吸することもいい方法です。
今この場所のことを考える
怒りから切り抜ける2つ目の方法は、
この場所のことだけを考える
ということです。
具体的には、先ほどの6秒待つ際に、目の前にあるものを観察するということです。
例えば、ペン立てが目の前にあったのなら、「ボールペンが2本と赤ペンが1本入ってるなぁ」というようなことですね。
なんでもいいです。
- 壁紙の柄
- 机の上の文房具
- 色、形、数、質感・・・・
このような観察をし、6秒をやり過ごしましょう。
これをグラウンディングと言います。「グランド+ing」で地面にくぎ付けになるという意味から、この場所のことだけを考えるいうことです。
グラウンディングを使って、6秒を稼ぎましょう。
怒りのレベルを10段階評価
怒りを切り抜ける方法3つ目は、
怒りのレベルを10段階で評価する
ということです。
怒りをコントロールする上で、大切なことは、怒りの程度を知るということです。
まず、イライラを感じたら、自分の怒りを数値化します。
例えば、
- 怒り0 穏やか
- 怒り1~3 不愉快
- 怒り3~6 腹が立つ
- 怒り6~9 爆発寸前
- 怒り9~10 最大級
というような感じです。
例えば、
- その日その日で気分にむらがある人を見て
- 遅刻してきても、何ら悪気がない
- ミスをしてもあやまらない
怒りレベルはどうでしょうか?
レベルが低ければ、「なんだ思ったほど、大したことじゃないな」と思って、怒りを流すことができます。
その場から離れる
怒りを切り抜ける方法、4つ目は
その場から離れる
ということです。
これは、怒りにとらわれたときに、一旦その場から離れて落ち着くということです。
例えば、上司に怒られたら、一旦その場を離れ、外で一服するようなことです。
スポーツの場面で、流れが悪いときに監督がタイムアウトを取るシーンがあると思います。
個人的には、バレーボールなどは、かなり効果的に使われている気がします。
タイムアウトを取り、一度気持ち切り替える方法です。
ビジネスシーンで、議論が熱くなり相手にイラつくようなことがあったら、
「一旦、休憩しましょうか」「ちょっと、お手洗いに行かせて下さい」
と、言って、その場から離れる方法をとってみて下さい。
コーピングマントラを使う
怒りを切り抜ける方法、5つ目は
コーピングマントラを使う
ということでです。
コーピングとは、「困難にうまく対処する」ということで、
マントラは「呪文」という意味です。
これは、怒りの感情を感じたときに、自分に言い聞かせる言葉のことを言います。
例えば、「大丈夫、大丈夫」「怒ってもしょうがない」みたいなフレーズですね。
私の場合だと、
- 「時間の無駄」
- 「人それぞれだなぁ」
という感じです。
実際、自分にポジティブな言葉をかける場合は、ポジティブセルフトークとも言い変えられ、怒りを感じたときに、
「これはチャンスだ」「試されてるなぁ」
というポジティブなマントラのことを言います。
怒らない人になる6つの習慣
先ほどは、怒り切り抜ける方法をお伝えしましたが、そもそも怒らない人になる習慣を身に付けてしまえば、
いちいちイライラすることすらなくなります。
そこで、1つ心掛けないといけないことは、アンガーマネジメントの基本は、
自分を変える
ということです。
人から、陰口を言われたり、小言を言われたりすると、
「くそ~、あの人さえいなければ、、、」って考えたりしませんか?
例えば、環境を変えたとしても、どこにいってもこのような人が現れたりします。
つまり、「天気が悪い」って言って、どうしようもないことにイライラしているだけなんですね。
自分が変わるんです。アンガーマネジメントは、セルフマネジメントです。
ちょっとした習慣を身に付けることで、実現出来ます。
では、怒らない為の6つの習慣についてお話します。
適度な運動
怒らない為の習慣1つ目は、
適度な運動でストレスを発散する
ということです。
怒りを感じた時のストレス発散方法として、友人に愚痴を言ったり、やけ酒や、やけ食いをする人がもしかしたらいるかもしれませんが、
これはアンガーマネジメントの観点からすると全く逆効果です。
例えば、やけ酒しながら、嫌な記憶を思い出したり、友人と愚痴を言えば言うほど、記憶に定着します。
さらに厄介なのが、もともとの事実を歪ませ、さらに悪い解釈を付け加え、怒りを増幅する可能性さえます。
そこで、おすすめのストレス解消法は、軽い運動です。
具体的には、
- ジョギング
- ストレッチ
- サイクリング
などの、負担が大きくない、軽い運動がおすすめです。
これらは、脳からセロトニンを分泌し、リラックスさせる効果があります。
また、単純に体を動かすとリフレッシュできますし、気持ちがいいものです。
丁寧な言葉遣いと笑顔
怒らない為の習慣2つ目は、
丁寧な言葉遣いで笑顔を心掛ける
ということです。
イライラしていると、余計にイライラを呼んできます。
実は私たちは、身体の状態に合わせて心がついていくと言われています。
具体的にどういうことかというと、
笑う門には福来るということわざがあるように、笑うから幸福だと感じるということです。
例えば、スキップしながら、本気で怒ることは難しいです。
つまり、例え怒ったフリでも、怒るポーズをとるだけで、本当にイライラしてしまうことがあるということです。
なので、普段から丁寧な言葉づかいと笑顔を意識し、使っていきましょう。
所作や言葉づかいが丁寧だと、気持ちが穏やかになります。笑顔を作ることでポジティブな気持ちになれます。
自分の機嫌は自分で取るとよく言いますが、まさにこのことですね。
ストレス源に近づかない
怒らない為の習慣3つ目は、
ストレス源には近づかない
ということです。
これは、不平不満を聞き続けると、負のエネルギーをまともに受けてしまい、例え自分は怒っていなくても、
人の話を聞いてるだけで、感情的になりイライラすることがあるわけです。
職場の一角や、飲み会などの集まりで、愚痴大会になりそうな場面があれば、近づかないことは大切です。
これは何も悪いことではなく、自分にストレスがかかりそうな場所には近づかない工夫をすることで、イライラしない環境を作ることが出来ます。
アンガーログとべきログ(コアビリーフ)
怒らない習慣の4つ目は、
記録を付ける
ということです。
私たちは意外と、「自分が何にイライラしているのか」分かってないことが多いです。
例えば、職場でイライラしているのかと思えば、その原因はプライベートにあったりすることもあります。
そこで大切なことが、記録を付けるということです。
何の記録を付けるのかというと、2つあります。
アンガーログをつける
1つ目は、『アンガーログ』です。
これは、読んで字のごとく、何にイライラしたのかを記録することです。
記録内容に、原因や、解決策などは書かず、単純に、
- 出来事
- 怒りの強度
だけを書きます。例えば、
- タクシーの運転手が道を間違えた。2
- 夫が休日にダラダラしている。4
みたいな感じです。
気を付けていただきたいのは、日記ではないので、一日の終わりに思い出して書くということではなく、イライラを感じた都度記録してください。
また怒りの強度は、先程「怒りを切り抜ける方法」でお話しました
- 怒り0 穏やか
- 怒り1~3 不愉快
- 怒り3~6 腹が立つ
- 怒り6~9 爆発寸前
- 怒り9~10 最大級
↑これを参考にして下さい。
記録の媒体は、手帳やメモ帳でもいいですし、スマホのメモアプリでもいいです。
あたしのおすすめは、Lineですね。
Lineの便利な使い方で、自分1人だけのグループラインを作成します。そこに自分でメモ代わりにメッセージを打ち込むというやり方です。
日付も分かるのでおすすめです。
べきログをつける
2つ目の記録は、『べきログ』です。
アンガーログを付けると、実は自分の「~すべき」「~すべきではない」という考えが隠れているので、
それを、別途「べきログ」として記録してみて下さい。
例えば、先ほどの例であれば、
- タクシー運転手は道を覚えておくべき
- 夫は休日家でだらだらすべきではない
というような、コアビリーフに気付くことが出来ます。
個人が正しいと思ってる考えや価値観のこと
「相手は自分を理解してくれてるはず」というようなコアビリーフがあると、
人間関係で、イライラすることが多いかもしれません。
そのコアビリーフを知ったうえで、「許せる」「許せない」「まぁ許せる」の3段階で分けてみましょう。
アンガーログやべきログをみながら、この3段階のどの範囲に属するかを考えてみましょう。
その中で、「まぁ許せる」という範囲のものは、自分にとって重要度の低いものですので、本来、怒る必要がないものです。
そのようにして、コアビリーフを見直す作業を通じて、心の許容量を大きくしていきましょう。
ハッピーログ
怒らない為の習慣5つ目は、
ハッピーログをつける
ということです。
私たちは、日常生活で想像以上に幸せを感じているはずですが、自覚がほとんどありません。
嬉しいとか楽しいというポジティブな感情を抱きながらも、幸せを自覚することは以外のないのです。
そこで、アンガーログと同様に、今度は、幸せも可視化するために、記録を付けてみましょう。
これを「ハッピーログ」と呼びます。
ハッピーログを付ける際に気を付けていただきたいことは、些細な幸せを見逃さないということです。
例えば、仕事である企画がうまくった!というのであれば、自覚しやすいですが、朝ご飯を食べているときに感じる些細な幸せは自覚がほぼないと思います。
なぜこんなことをするのかというと、普段、怒りを感じる機会が多い人ほど、「世の中、嫌なことばかり」だと思いがちであり、
日常あちこちにある幸せを見つけることができていません。
このハッピーログはその現状に対する、捉え方を変え、怒りやストレスを減らす効果があります。
頑張って、3週間だけでいいので、続けてみてください。
事実と思い込みを分ける
怒らない為の習慣6つ目は、
事実と思い込みを分ける
ということです。
私たちは、「事実」と「思い込み」をごちゃごちゃにしてしまいがちです。
特に人は、事実より思い込みに引きずられます。
この事実と思い込みをちゃんと切り分けて考えることは、アンガーマネジメントでも、とても大事な要素となってきます。
ちょっと例を出します。
私は、無職だ。だから結婚できない。
事実は、「無職である」こと。思い込みは「結婚できない」です。
スタッフが遅刻した。また遅刻を繰り返すだろう
事実は、「遅刻した」こと。思い込みは「また遅刻を繰り返す」です。
こういうこと、よくありませんか?
職場で、「○○さんが機嫌が悪い。私が何かしたのかも」みたいなことです。
感情が先走りそうになったら、事実と思い込みをまずは切り分けることを意識してやってみて下さい。
また、イライラを感じてしまった時、事実と思い込みの部分があるかもしれないと、少し考えてみて下さい。
相手にはなんの悪気も悪意もなく、単にあなたが勝手にイライラしていることは、少なくはないかもしれませんよ。
まとめ:心を整えるアンガーマネジメント
ということで、ここまでアンガーマネジメントについてお話させていただきました。
最後にまとめたいと思います。
まず「怒りを切り抜ける方法」を5つ紹介しました。
- 6秒ルール
- 今この場所のことを考える
- 怒りのレベルを10段階評価
- その場から離れる
- コーピングを使う
ということでした。
次に、「怒らない為の習慣」を6つご紹介しました。
- 適度な運動をする
- 丁寧な言葉遣いと笑顔を心掛ける
- ストレス源に近づかない
- アンガーログとべきログをつける
- ハッピーログをつける
- 事実と思い込みを分ける
ということでした。
アンガーマネジメントは学び、実践していくことで、人生がイージーモードに変わります。
周りから敵がいなくなるんですね。
例えば、ちょっと嫌なことを言われたとしても気にならなくなったり、流せてしまうマインドになります。
競争することから離れ、限られた時間を、自分のやりたいことに集中できるようになります。
是非、今お話したことを実践していただき、人生をイージーモードにしていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました(*’ω’*)