どーも、しゅんです。
今日は、「現場スタッフの不満がリーダーに届かない理由」についてお話しします。
仕事をしていると、
- リーダーはやれやれ!いうのに自分はやってないじゃないか
- 人の指摘はするのに、自分が出来てないときは笑ってごまかす
- 指示通りやっていたのに、今日は別のことを言われ怒られた
など、部下からのリーダー、上司に対する不満はつきものです。
そしてリーダー側も
- 部下に任せているとはいえ、全然報連相がない
- 部下が勝手に自分の判断で仕事を進めているから不安だ
など、リーダー・上司側にも言い分があったりします。
そう考えると、会社組織は不満の宝庫とも言えます。
今回は、なぜこのような不満が発生するのか?そして、どうすれば不満を対処できるのかについてお話しします。
リーダーや上司と言われる方にお役に立つ内容となっておりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
では、いきます。
職場には不満があって当然
不満が起こるのは、
例えば、
- 会社の理念や方針に対する自分の認識と実際のズレがある
- 仕事の進め方や意見などのズレがある
- 環境や、待遇や、評価にズレがある
など、このような自分の認識とのギャップがある場合に生じます。
実は厚生労働省のデータによると、このような仕事上のずれを感じ、強い不安や悩みを抱えてストレスを感じている人は、
なんと、約6割もいると言われています。
ということは、「自分の職場のメンバーは楽しく働いている」と思うのは、どこか楽観的なのかもしれません。
例外でなければ、約2人に1人は不満を抱えているというのが、現状です。
まず、この前提を知っておくことが、リーダーとして大事なことです。
不満を言わない部下
では、その上で、なぜリーダーにその不満が届かないのでしょうか?
例えば、上司の指示についての不満を考えてみます。
- 指示があいまいでよくわからない
- なぜこの指示がされるのかわからない
- 指示がころころ変わる
- 聞き返したら、いい顔をされない
このように、指示についてだけでも、不満になるような材料がたくさんあります。
実は、日本で600人を超える看護師を対象にした調査によると、なんと6割以上の人が、リーダー・上司に不満を感じているという結果が出ています。
そこで、どのようにその不満を処理するかを聞いたところ
- 我慢する
- 仲間と愚痴を言い合う
ということでした。
つまり、部下の不満は、自分たちの中に隠ぺいしているということです。
ちなみに、残りの4割の人は、納得するまで話し合うという人たちと、自分の意見を押し通すという人たちでした。
つまり、過半数は不満を直接リーダーには言わないということです。
不満を言わない理由
部下がリーダーに不満を言えない理由は、
不満を伝えるのには、
勇気というコストがかかるから
です。
もし、それを承知の上で、勇気をもって不満を伝えたとしても、
- 「そんなことを考えているのか」
- 「もっと前向きな意見はないのか」
と、マイナスの評価を下されかねません。
つまり、このような心理が働いて、部下はリーダーに不満を言うことが出来ないというわけです。
実はこれ、組織内の地位や役割によって、コミュニケーションの弊害が起きていると言えます。
例えば、病院の場合、看護師が医師に対して指摘をするとしたら、その抵抗感はかなり強いものだと想像できます。
言いたくても言えないというのが、この『地位格差』によって発生します。
ほかにも、後輩には指摘できるけど、先輩に指摘するとなると、かなりの抵抗感があると思います。
職場ではよく「報・連・相」の重要性が求められますが、このような地位格差のある中で、スムーズにできるかというと、現実はそんな単純にはいかないということです。
不満の隠ぺいの解決法
もし、職場メンバーの多くが、不満を言わず沈黙しているとしたら、事故の可能性が高まってしまいます。
不祥事や点検ミス、お客様からのクレームが増える可能性もあります。
ましてや、そんな不満が充満した現場で、継続的に成果をあげることは難しいです。
どうせ組織から不満はなくならないというのであれば、リーダーはむしろ不満と付き合っていく方が賢明です。
部下から不満が出ること自体は問題ではなく、不満や感情が隠ぺいされ、それによって問題が生じることの方が問題だということです。
そこで、リーダーは部下に不満が生じたのなら、すみやかに対処しその不満を生かす必要があります。
まず、不満があるということは、その組織に対して関心があるということです。リーダーにしてみれば、そんなネガティブなことを目の当たりにしたくないかもしれません。
しかし、不満は「実はそうだったのか」という、組織の課題を浮き彫りにする機会でもあります。
そもそも部下は、大げさなことを希望しているわけでもないし、理想の未来を要求したいわけでもないと思います。
ほんの少しでも自分の働きが認められたり、組織をわずかでも変えることができたという、言わば貢献したという実感があれば、それで報われるんです。
そこで、部下の不満を解消する方法を2つ紹介します。
一つ目は、
部下に役割を与える
です。
人は、他人から期待されると、やる気が出て、パフォーマンスが向上すると言われています。これを「ピグマリオン効果」と言います。
例えば、中堅の部下に新人教育という役割を与え、その成果は評価にあたいするということをちゃんと伝えることです。
つまり、新人教育は、自分の業務のついでではなく、評価にあたいする優先事項だということを認識してもらうことです。
このような役割があると、人は仕事に時間やエネルギーを注ぎ、没頭する傾向が強まります。
自分には期待が伴っていて、その役割が組織への貢献につながるということを共有することで、
不満が解消されることがあります。
そして、2つ目の方法は
心理的安全性を高める
です。
Googleが注目したことで広く知られることになった『心理的安全性』という言葉ですが、これは、個人がリスクをとっても大丈夫な職場環境だということです。
心理的安全性の高い職場では、
- 解決法を示す
- 職場が支援的である
- 望ましくない行為を指摘する
- 学ぶ姿勢を持った個人が多い
などの特徴があります。
では、心理的安全性の高い職場作りとはどのようにするのか。その方法は一概には伝えることができず、たくさんの方法があると言われていますが、
今回、すぐにできる2つ方法を紹介します。
1つ目は、
リーダーが弱みをさらけ出す
です。
例えば、
- リーダーが失敗を認め頭を下げてくれた
- リーダーの悩みを打ち明けてくれた
- リーダーが自分の短所について話してくれた
このように、リーダーが自分自身をさらけ出すことで、部下も自分の弱みをさらけ出しやすくなります。
逆に完璧に振る舞う、上司のもとでは、部下は緊張した状態が続くということです。
心理的安全性を高める方法、2つ目は、
1on1ミーティングをする
です。
これは先ほどのGoogleが行っていることでもあります。Googleの場合は、マネージャーはすべてのチームメンバーと週1回、1時間の1on1ミーティングをすることとなっています。
集団ミーティングと違い、リーダーと2人きりで話す機会は、「あなたに時間を割いている」というメッセージになります。
この1on1ミーティングを使って、不満に対して、建設的に解決策を話し合ったり、褒める機会を作ることで、
不満という一見ネガティブなことを、ポジティブなものに変えていくことができるのではないでしょうか。
それこそが、心理的安全性のある職場づくりとなります。
まとめ
以上が、現場の不満がリーダーに届かない理由でした。
- そもそも職場に不満を抱えている人は約6割いるという
- 部下は我慢をしたり、メンバーと愚痴を言い合って解消している
- 地位格差によって、不満を届けるには勇気とコストがいる
- リーダーは、部下に役割を与えたり、心理的安全性を作る
- 心理的安全性はリーダーが弱みを見せることと1on1ミーティングを活用する
という内容でした。
そもそも前提条件として、職場に不満はつきものです。そこでリーダーは、不満は「職場の課題を浮き彫りにする材料」だと考え、
不満を言っても大丈夫なんだという、環境づくりが重要です。心理的安全性についてはこれからさらに掘り下げて学んでいきたいと思います。
ということで、本日は以上です。
では。