今回は、私のもともとの課題であったお話しをします。
私は現在3事業所ある介護施設の経営をしているのですが、1事業所しかなかった当初は、スタッフと同じように現場に出ていました。
そして、2事業所目開設の時も、人材をまとめるべく、現場第一線でスタッフと同じように働いてきました。
しかし、周りの社長さんを見ても、そもそも社長が現場に出続けることは、どうなんだろうと疑問を持つようになりました。
そこで今回は、従業員50人程度で、3事業所の介護施設を運営する私の場合についてお話しします。
社長は現場に出る方がいいのか?
2事業所以上の介護施設経営者であれば、参考になる記事となっておりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ではいきます。
社長は現場に出ないほうがいいか?
早速ですが、介護施設において社長は現場に出るべきかどうか、
結論は、
『社長は現場に入るべきではない』
です。
いきなり結論なんですが、これは「現場に入るな!」という強い意志ではなく、「入るべきではない」というスタンスです。
しかし、そういう私も、以前このように思っていました。
『会社の判断を間違えないためにも、社長は常に現場の人とコミュニケーションを取る必要がある』
ということです。
多分このように考える社長も多いのではないかと思います。
しかし今、これは良いことにならないと結論づけました。
たしかに、1つのケースをとってみれば、社長が現場におりて、判断した方がいいこともあります。
それは、社長の経験値や、結果に対する執着心は、決してスタッフには負けるものではないので、目標や課題に向き合う姿勢は特別なものがあると思っているからです。
ある意味、常に自分の方が良い判断ができると信じていると思います。
しかし、社長は現場以外にも、資金繰りを見たり、各部署の管理をしたり、トップセールスをすることも仕事です。
いや、実際にはもっといろんなことを考えないといけません。
そんな中で、現場に割ける時間は?というと、現場管理者には負けると思います。
そして、何事も『多くの時間を割ける人』の方が、その情報に多く触れ、多くの経験ができます。
つまり、これまでの経験から判断している社長よりも、毎日現場で経験値を積み上げている管理者の方が経験を上回っていると考えた方がいいわけです。
実際、現場に一切入らないようにして、管理者とだけコミュニケーションをとる状態にしてみると、まったく今まで見えてないことが見えてきたりします。
「点」と「線」の違い
さらに現場判断において、管理者の方が優れている理由をあげるとするならば、
点で判断することと、線で判断するとにギャップが起きる
ということです。
たまに現場に入った社長は、「起きた事実」をもとに判断せざるを得ません。
これが『点(起きた事実)』を見て、判断するということです。
しかし、「起きた事実」には当然、事実の前後があります。その前後をよく知った上で判断をしないと、問題の本質が捉えられないことも多々あります。
つまり、正しい判断をするには、多くの点を繋いだ『線』の状態でないと出来ないということです。
線は俯瞰してみること
先ほど、正しい判断をするためには、点ではなく線の状態でないといできないと言いました、
では、社長は現場に対して正しい判断ができるのでしょうか?
例えば、社員さんから
- 「社長は現場のことわかってないのに…」
- 「言われたらやるしかないな…」
- 「社長が来た時だけ、やっとけばいいか」
という経験したことはないでしょうか?
これらの社員さんの不満は、まさに社長が『点』で判断した結果、現場とのミスマッチが起きている例です。
確かに社長が見たときは改善が必要だったかもしれないが、その時はスタッフが足りずに、臨機応変に対応していた。
とか、
社長にやるように言われたけど、そのやり方では不都合なことが出て、少しやり方を変えていた。
とか、
会社としては、社長のいうやり方がいいのはわかっているけど、お客様の都合でそのような対応になっている
など、こんなことは日常的に起こりえます。
それを『点』で判断していたら、現場はばたばたして大変です。
今回は、あえて「社長」という役職でお話しをしていますが、
ほかにも、常時は現場に入れない管理者や店長、施設長など、働き方によって、当てはまる範囲は変わってくると思います。
私自身は、すでに現場を把握出来ないと諦めており、現場管理者にヘコヘコしながら「頼むよ〜」とお願いしているのが現状です。
そのような関係になると、また見える景色も違います。
以前は虫の目のような、細かいポイントを見てばかりでしたが、今は鳥の目のような全体を俯瞰してみることができるようになりました。
いかがでしたでしょうか?
現場から少し離れている管理者の方、点ではなく線。鳥の目をもって、一緒に頑張っていきましょう!
ではまた。