介護の仕事を続けていますが、最近腰痛がひどいです。
介護職の腰痛についてお話しましょう。腰痛予防についても紹介します!
介護の仕事は肉体労働です。
そして、中腰になったり、かがんだりする作業が特に多いため、腰痛に悩される人も多いです。
- 腰痛を予防したい人
- 腰痛に悩まされている人
- 腰痛の原因を知りたい人
本記事では、介護職の腰痛についてお話しします。
腰痛に悩む介護職はどのくらいいるの?
「介護福祉士の腰痛に関する研究」によると、介護福祉士170名を調査した結果、130名の方が腰痛を感じているというデータ結果が出ています。
なんとその割合、
74.7%
かなりの介護職が腰痛を感じています。
少し古いデータになりますが、平成21年の厚生労働省によると、
業務上いう疾病で、腰痛が4,870件起きており、そのうち、介護職が含まれている『保健衛生業』が24%となっております。
つまり、介護職を含む『保健衛生業』の腰痛疾病件数は、業界全体の約4分の1にも及ぶことが分かります。
このことより、やはり介護職と言うのは、腰への負担が大きい仕事だと言えます。
腰痛になりやすい介護業務
では、何が原因で腰痛がくるのか考えてみます。
介護職の仕事で、かがむ行為や、ベッド上の行為は腰への負担が高いと言われています。
腰を痛める業務ベスト5はこちらです。
- 移乗
- オムツ交換
- 体位交換
- 更衣
- 入浴介助
では、順番に解説します。
移乗
利用者様をベッドから車いすや、車いすから便器(便座)に移すときに、腰を痛める可能性があります。
また、一日の中で回数が何回も行われるので、その都度腰を痛める可能性があります。
オムツ交換
オムツ交換は、寝たきりの方や、夜間のみオムツを装着する利用者様など、ベッド上で行う行為のため、腰に負担がかかります。
ベッドでの介助は、基本的に前傾姿勢になり、またオムツ交換時は、ズボンの着脱もしないといけませんので、多少の時間がかかります。
体位交換
寝たきりの方や、片麻痺の方で、自分で寝返りをうてない利用者様に対して、横向きにするなどして体位を換える介助ですが、
これもベッド上で前傾姿勢になるので、腰を痛めやすいです。
更衣
寝たきりの方の更衣介助は、時間がかかります。
特に麻痺が強い利用者様であれば、上着の更衣の際に脱臼の恐れがあったりしますので、慎重さも必要となってきます。
もちろん腰への負担もかかる介助となります。
入浴介助
最後に、入浴介助ですが、利用者様が自分では洗えない足先や足裏、
また手すりを持たないと立位保持が難しい利用者様は、臀部や下半身などを職員が洗います。
その後の、浴槽への誘導や、浴槽がから出る時の介助においても、
立ったりしゃがんだりが多い介助となるため、腰に負担がかかります。
介護職の腰痛対策
先ほどの介護業務をみると、やはり介護職は腰に負担がかかる仕事が多いです。
では次は、どのようにして腰への負担をかけないようにするのか、腰痛予防について、
以下の4つの方法について、お話しますね。
- 利用者様の残存機能を活かす
- ボディメカニクス
- ストレッチをする
- コルセットを使う
利用者様の残存機能を活かす
まずは、自立支援という観点からも、
利用者様本人ができることは本人にしてもらいましょう。
先ほどお話した『腰痛になりやすい介護業務』の中で、
たとえば、移乗介助の際に、
立位はとれるけど、立ち上がりに少し介助がいる
そのような利用者様が、いらっしゃったとしましょう。
その際に、利用者様の体ごと持ちあげるのではなく、
立ち上がりの際に、利用者様の膝やお尻をすこしサポートしてあげるだけで、移乗が出来たとしたら、腰に負担をかけることはありません。
つまり、
利用者様の残存機能を知り、適切な介助をすることで、腰への負担を軽減できる。
ボディメカニクス
介護職であれば、ボディメカニクスの7つの原則を意識していましょう。
- 足を左右に開き腰を落とす(重心を低くする)
- 利用者様に近づく(重心を近づける)
- 利用者様を小さくまとめる(手を組む、ひざを曲げる)
- 手や腕を使うのではなく、腹筋や背筋等の大きい筋肉を使う
- 利用者様は持ち上げず、水平移動を心掛ける
- 移動先につま先を向け、肩と腰は平行にする
- てこの原理を使う
腰に負担がかかりにくい介助が、このボディメカニクスを利用した介助になります。
ボディメカニクス以外にも、
- 移乗の際は、脇を締めて手首を固定する
- ベッド上の介助時はベッドの高さを変える
- ベッドに膝をついて介助する
など、
介護をやりながら、自分なりに腰に負担がかからない介助を身に付けましょう。
参考サイトをご紹介しておきます。
参考サイト▶ボディメカニクスを知ろう!~腰への負担が軽くなる介助のテクニック~
参考サイト▶いざという時に役に立つことも?介護の「ボディメカニクス」とは?
ストレッチをする
先ほどの、ボディメカニクスをふまえた上で、続いてはストレッチです。
ストレッチは主に以下の部位に対して行います。
- 太もも
- ふくらはぎ
- 上半身(側面)
太ももの前側を伸ばすストレッチ
上記のような体勢で、曲げた足のつま先がおしりにつくイメージで、ふともも前側を伸ばします。
20~30秒キープしましょう(左右1~3回)
ふくらはぎを伸ばすストレッチ
続いては、太ももの付け根と、ふくらはぎを伸ばすストレッチです。
うしろに出している足のかかとを付け、しっかりふくらはぎを伸ばしましょう。
この姿勢を30秒キープです(左右1~3回)
上半身(側面)を伸ばすストレッチ
最後は、上半身です。頭の上で腕を組み、脇腹を伸ばしましょう。
しっかり伸びていることを感じたまま30秒キープです(左右1~3回)
コルセットを使う
コルセットは、腰痛を治すものではありませんが、腰痛予防として使われます。
体を支える筋肉の働きを助け、痛みの出るような姿勢を取らないようにするものです。
ぎっくり腰や、一度腰痛で治療を受けた方が、腰痛予防のためにつけることが多いです。
注意点としては、ずっとつけている筋力が低下するので、必要な時だけつけるようしたほうがよいです。
まとめ:介護職は腰痛予防必須
以上が、介護職の腰痛についてでした。
介護の仕事は、やはり重労働です。
また、一度腰痛になると、くせになるとも言われており、実際整体やマッサージ店に通う職員も多いです。
そうならないためにも、腰痛予防をしっかり意識し、スムーズに業務が行えるように努めたいものです。
特にボディメカニクスは、意識しなくても使えるレベルまで身に付けたいものです。
最後まで読んでいただきありがとうございました(*’ω’*)