少子高齢化と言いますが、そんなに日本はやばい状況なんでしょうか?
私は介護施設の経営をしておりますが、職業柄、高齢化というキーワードについて敏感です。人口減少がもたらす問題についてお話していきましょう。
人口が減ると何が問題なのか?ということなんですが、
実は、今後100年もしないうちに日本の人口は5000万人くらいになるといわれています。
現在の半分以下!
ちょっと想像もつかないんですが、人口が減り続けると、様々なことに影響がでます。
- 今の会社は存続していけるんだろうか
- 子供はどんな未来を生きるんだろう
- 親の介護はどうなるんだろう
- 年金はどうなるんだろう
こんなことを思ったりします。
実際、人口減少が起きている今、具体的にどんなことが起きているのか?また、今後どんなことが起きるのか、
何となく知ってそうで知らない、人口減少で起きる問題について、3つを紹介したいと思います。
改めて、日本が抱える人口減少という大きな課題を見ていきたいと思います。
少子化問題を知る
人口減少における問題、1つ目は、
少子化問題です
人口減少における、最も大きな問題は、少子化問題と言えます。
「最近の若者は結婚しない」「子供を作らない」という言葉を耳にすることもあります。
実は、うちも子供一人なので、他人のことをどうこう言えないのですが、まぁ、考え方だったり、事情というのがそれぞれあると思います。
少子化の度合いを知るのに、よく指標として使うのが、「合計特殊出生率」ですね。こちらを見ていきたいと思います。
1人の女性が生涯生む子供の数の推計値のこと
こちらが、合計特殊出生率のこの100年間の推移です。
これを見ると、戦後すぐの1947年で出生率4.54でしたが、直近のデータである2018年では、1.42となっております。
すごいですよね。改めてこんなに違うんだなと思います。
また、1974年に、「人口置換水準の2.08割り込む」と表記してありますが、
この人口置換水準とは、簡単に言うと、人口をキープするための水準です。
つまり、2.08を下回ると人口が減るということです。
2018年の水準が1.42ということで、つまり1組のカップルから1人しか生まれないということですね。
政府をこの合計特殊出生率を上げようと頑張っているのですが、たとえこれが、1.99になったとしても人口は増えないんですね。少し緩やかに減少する程度です。
最低でも2人から2人の子供が生まれないといけないことは誰でもわかると思います。
しかし、実はあまり多くの人があまり気付いていないかもしれないもっと大きな問題があります。
それは、出生率を上げたところで、出生数は減少するということです。
なぜ出生率が上がっても、出生数は減少するかというと、単純に『未来のお母さん』が減るからですね。
先ほどお話したとおり、出生率は1974年から人口置換水準を下回っているため、そもそも女児の数も減っています。
つまりは、将来のお母さんになる人口も減るわけですね。
こちらの表を見て下さい。
出生数は、25~39歳の女性が85%以上を占めており、その年齢層が減少すれば、単純に出生数は減るという考え方です。
つまり、出生率が改善して、2.08を超えたとしても、そもそもの分母となる女性の数が減っているので、出生数は減っていきます。
出生率が少々上がったとしても、出生数は下がる一方ということです。
人口減少は、合計特殊出生率が改善したとこで歯止めがきくというものではなくて、
少子化が続くと、さらに少子化を加速させ、人口減少のスパイラルにハマるということですね。
実は、2020年、50歳以上の女性の数は、49歳以下の数をいよいよ抜いてしまいます。
つまり、日本女性は2人に1人は、50歳以上ということです!
便利が終わる時代へ
人口減少で起こる問題、2つ目が
あらゆるサービスが縮小する
ということです。
これは当たり前のことですが、人がいなければ商売は成立しません。
その人というのは、
- サービスを受ける側(お客さん)
- サービスを提供する側(働き手)
その両方のことを言います。
その証拠に、コンビニをはじめとする24時間営業のチェーン店が24時間営業をやめ、時短営業に切り替えてきている事態も起きています。
コンビニや、すかいらーくグループ、牛丼チェーン店などですね。
働き手を見る指標としては、労働力人口があります。
これを見ると、2020年の労働力人口は、6404万人となっております。これが2065年になると3946万人となり、ほぼ半減します。
これ単純に自分が今働いている職場の社員が半分になると考えてみて下さい。そんなことになれば、サービスは提供できないですよね。
では、社員数はそのままであれば、そのサービスの同業者の数が半分にならないと会社は機能しないことになります。
ましてや、私が経営している介護事業であれば、2042年まで高齢者数は増え続けます。つまり、サービスの需要が増え続ける場合、労働力は減少どころか、増加しなければ早い段階でサービスは頭打ちになります。
しかし、ネット社会になり通販が普及し、実店舗がなくてもサービスは受けられるじゃないか!という方もいらっしゃると思います。
しかし、そこにさらなる問題が起きています。
それは、ネットで注文したものを届ける人がいないという問題です。
トラックドライバーは2020年時点で、14万人不足しているといわれています。
人口減少がさらに進むと、2028年には、28万人のトラックドライバーが不足すると言われています。つまり慢性的にドライバーが足りないんですね。
それに対応すべく、ドローンや自動運転技術を開発してますが、少し想像してみて下さい。
今以上に通販が普及し、あらゆるものが配達される世の中になったとして、それをドローンが担うとしたらどんな社会になるでしょうか。
それは、空をとんでもない数のドローンが飛ぶことになりますよね。危なっかしくて外を出歩けません(笑)。つまり、現実的ではありません。
また、家電製品などでは、設置や回収などの作業がありますし、高齢化社会では、やはりドライバーさんが荷物の積み下ろしをしてくれないと現実的には難しいことが予想できますよね。
今までは、コンビニは24時間営業が当たり前というような社会でしたが、
これからは、今より多少不便な社会になるかもしれません。
あばあちゃん大国となる
人口減少で起きる問題、3つ目は
あばあちゃん大国になる
ということです。
2020年の現時点で65歳以上の高齢者の割合は28%で、国民の4人に1人と言われています。
これが2065年になると、高齢化率が約40%となり、2.5人に1人が65歳以上になると言われています。
もうね、想像できません。2,3人に1人が65歳以上ですよ。
この超高齢化社会の主役はもちろん女性であり、世の中はおばあちゃんだらけになります。
2020年、すでに今時点で、女性の3人に1人が65歳以上となっております。
今後さらに医療技術等が進歩すると、高齢者がさらに高齢化することとなり、おばあちゃんがいっぱいになるということです。
私は、介護施設を運営しておりますが、今でも利用者様の8,9割は女性です。おばあちゃんだらけなんですね。
そして、今後さらに問題となってくるのは、これからさらに一人暮らしの女性が増えてくるということです。
女性でよくある問題が現役時代に、パートアルバイト等で働いていて、収入が少なく蓄えがあまりなかったり、無年金・低年金という経済的な問題をかかえている場合が多いのです。
まとめ
以上が、人口減少で起こる3つの問題でした。
- 少子化がさらに少子化を加速させる問題
- サービスが縮小し、少し不便な社会になる問題
- おばあちゃん大国になる問題
ということでした。
この問題にどう向き合うかということを考えないといけませんが、実際政府自体もまだ抜本的な策はないように思います。
もしかしたら今現在、また近い将来は、『働くこと=定年まで会社に勤めること』という時代は終わるかもしれません。
なぜかというと、定年まで勤めてもまだまだ30年40年と人生は続くからです。もしくは定年という概念はなくなっているかと思います。
個人独自のマネタイズや、短期的な仕事を繰り返すことも考えれます。そうなると、すでに壊れつつある、年功序列や、先輩後輩という組織文化もなくなるでしょう。
過去経験したことのない、時代へ突入しているのは間違いありません。
まず個人ができることは、人生100年時代と考えて、自らのライフプランを設計する必要があります。
そして私のような会社を経営している人は、人口減少、少子高齢化に伴う社会変化にどのように対応していくか、考え抜く必要があります。
いやぁ、今すでにこの問題と向き合っていますが、抜本的な策はでてきません。
もうすぐひらめきそうなんですがね(笑)
最後までよんでいただきありがとうござます(*’ω’*)